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健康維持

【警鐘】今からエアコンを買っても、この夏は間に合わないかもしれません——2026年・設置部材不足の実態

公開日: 2026-06-15 · 約9分で読めます

「エアコン、そろそろ買い替えなきゃ」――そう思って売り場に向かったあなたに、いちばん最初にお伝えしたいことがあります。
2026年のこの夏は、エアコン本体を買えても「取り付けてもらえない」可能性が、例年よりずっと高いのです。不足しているのはエアコンそのものではなく、設置工事に欠かせない“部材”のほう。これは一部の業者だけの話ではなく、テレビや業界紙でも報じられている、全国規模の出来事です。
今日はあわてず、でも正確に。いま現場で何が起きているのか、なぜ「代替品でしのぐ」こともできないのか、そして私たちはどう備えればいいのかを、ていねいに整理してみますね。

「本体はあるのに、付けられない」――いま現場で起きていること

2026年6月7日に配信された報道(FNNプライムオンライン/テレビ西日本)では、エアコン設置に必要な部材が手に入らず、「工事の遅れや中止が広がっている」と伝えられました。販売店の社長が「資材が足りなくなる」と懸念を口にする様子も紹介されています。
つまり今年は、「お店にエアコンが並んでいない」のではありません。本体はあるのに、それを壁に取り付け、室外機とつなぐための“周辺部材”が枯渇しているために、工事の予定が立てられない――そういう異常事態なのです。

福岡県が県内81社に行ったヒアリングでは、「仕入れ値が上がった」と答えた企業が74%、「資材の入手が困難」と答えた企業が62%にのぼりました。政府は「年度を越えても供給は継続できる」と説明していますが、現場では事態が解消せず、疲労感が広がっている、とも報じられています。数字を見ても、これが“ごく一部の話”ではないことが分かります。

足りないのは「エアコン」ではなく「工事の部材」

では、具体的に何が足りないのでしょうか。報道や施工業者の声を整理すると、不足しているのは次のような“地味だけれど絶対に欠かせない”部材たちです。

  • 架台(かだい)……室外機を地面やベランダに据えるためのプラスチック製の台。最も深刻に不足している部材のひとつ。
  • 配管化粧カバー(スリムダクト)……配管を保護・目隠しする外装カバー。特に黒など一部の色は製造が止まっているとの情報も。
  • 被覆銅管(冷媒配管)……エアコンの心臓部をつなぐ配管。後述するとおり、銅の高騰でも値上がり・品薄に。
  • 断熱材・保温材……配管に巻く被覆。原料がナフサ由来のため供給が不安定。
  • 粘着テープ・パテ(穴埋め材)・ドレンホース……いずれも工事に必須の消耗部材で、品薄が指摘されています。

どれか一つでも欠ければ、安全で確実な設置工事は成立しません。「本体+これらの部材が、ひと組そろって初めて1台のエアコンが動く」――この当たり前の前提が、いま崩れかけているのです。

原因①:ナフサ不足(中東情勢)でプラスチック部材が入らない

ひとつめの原因は、ナフサの不足です。ナフサとは原油から精製される石油化学の基礎原料で、プラスチック製品の“もと”になるもの。架台、配管カバー、断熱材、テープ類といった部材は、いずれもこのナフサ由来のプラスチックでできています。
報道によれば、中東情勢の悪化を受けてナフサの調達が不安定になり、メーカーが部材の出荷を制限。架台については「約3か月前から出荷制限が予定され、約1か月前からはほとんど入ってこなくなった」という現場の証言も伝えられています。

原油の上流(ナフサ)でつまずくと、その下流にあるプラスチック部材すべてに、同時に影響が及んでしまう。

ここが今回の問題の根の深いところです。「あるメーカーの一品番だけ足りない」のではなく、石油化学という共通の“川上”が細っているために、関連するプラスチック部材がまとめて品薄になっているのです。

原因②:銅の高騰で「銅管」も品薄・値上がり

ふたつめの原因は、まったく別の素材――です。エアコンの冷媒配管(銅管)は、その名のとおり金属の銅でできています。こちらはナフサとは関係なく、銅地金そのものの価格高騰が直撃しています。
現場からは「エアコン用の銅管は3年前と比べて約3倍に値上がりした」という声が上がっており、配線に使う電線(銅)も2026年4月から25%の値上げ。さらに一部では業者による買い占めも指摘され、品薄に拍車をかけています。

つまり2026年のエアコン工事は、「プラスチック部材=ナフサ不足」「金属部材=銅高騰」という、原因の異なる二つの逆風が同時に吹いている状態。だからこそ、片方が落ち着いてもすぐには解消しない、根の深い品薄になっているのです。

不足している部材主な原因
架台・配管カバー・断熱材・テープ・パテナフサ不足(中東情勢→石油化学原料の調達難)
銅管(冷媒配管)・電線銅地金の高騰(国際相場・買い占めなど)

メーカーも「二重の値上げ」と出荷制限に踏み切った

この二つの逆風は、メーカーの動きにもはっきり表れています。空調用の被覆銅管などを手がける因幡電機産業は、理由の異なる値上げを立て続けに通知しました。

  • 2026年2月1日出荷分〜銅価格の高騰を理由に、標準単価を一律20%以上引き上げ。
  • 2026年6月1日出荷分〜ナフサの調達不安を理由に、被覆銅管やカタログ掲載製品をさらに20%以上引き上げ。あわせて出荷数量の制限や納期回答の遅れが生じる可能性も示しました。

たった4か月のあいだに、別々の理由で二度の大幅値上げ。しかも「値段が上がる」だけでなく、「数を絞る・納期が読めなくなる」という出荷制限がセットになっています。値上げを受け入れても、そもそも“モノが回ってこない”――それが今の現場の実感なのです。

「代替品でしのぐ」も、ほぼ不可能なワケ

「銅管が足りないなら、別の素材の配管を使えばいいのでは?」「カバーは何か他のもので代用できないの?」――そう思いますよね。けれど、ここがいちばんお伝えしたいところで、今回は“代替品でしのぐ”という逃げ道も、現実にはほとんど残されていないのです。

銅管の代わりは、事実上ない

エアコンの冷媒配管は、長年にわたってほぼ100%が銅管でまかなわれてきました。代替として注目されるアルミ配管も研究・規格化が進められてはいますが、アルミは「水に弱い」といった弱点があり、一般家庭の取り付け工事で当たり前に使える段階には至っていません。規格や施工指針の整備が進む途上であり、街の電器店がすぐに切り替えられるものではないのです。
つまり、銅管が足りないからといって、明日からアルミ管で代用――というわけにはいきません。冷媒配管は「銅でなければならない」場面がほとんどで、ここに代替の余地がほぼないのです。

プラスチック部材は「代わりも同じナフサ由来」

では架台やカバー、テープはどうでしょう。これも厳しい話で、代わりに使える製品も、結局は同じナフサ由来のプラスチックです。原料の“川上”が細っている以上、別メーカー・別品番に替えても、同じ供給制約の中で奪い合うことになります。色や規格が合うものを探し回っても在庫が見つからない、という事態が各地で起きているのは、このためです。
木やコンクリートで架台を自作する、といった応急策が語られることもありますが、強度・耐候性・安全性の観点から、正規の工事として誰にでもすすめられるものではありません。「ありもので代用してとりあえず動かす」が通用しにくい――それがエアコン工事の難しさなのです。

さらに重なる「2027年問題」――予約は数週間待ちに

やっかいなことに、この部材不足に「2027年問題」が重なっています。2027年度から省エネ基準が引き上げられ、それ以降は高効率・高価格帯のモデルが主流になると見込まれているため、「基準が変わる前の今のうちに買い替えよう」という需要が前倒しで集中しているのです。
その結果、例年なら7月並みの混雑が5月の時点で訪れ、取り付け工事の予約は「3週間待ち」といった水準に。需要が前倒しで増えているのに、部材が足りなくて工事が進まない――この“ねじれ”が、今年の遅延をいっそう深刻にしています。

2027年問題そのものについては、エアコンの「2027年問題」とは?2026年製の在庫品を今のうちに選びたい理由でやさしく整理しています。あわせて読んでいただくと、今年の状況がより立体的に見えてくるはずです。

結論:今から買って工事を頼んでも、この夏は間に合わない可能性が高い

ここまでをまとめると、2026年の夏は次の条件がすべて重なっています。

  1. 設置に必須の部材(架台・カバー・銅管・断熱材など)が、ナフサ不足と銅高騰という二つの原因で同時に枯渇している。
  2. メーカーが値上げと出荷制限に踏み切り、モノ自体が回ってこない。
  3. 代替品でしのぐ道もほぼ塞がれている(銅管に代わりがなく、プラ部材は代替も同じナフサ由来)。
  4. 2027年問題で需要が前倒しになり、工事予約はすでに数週間待ち

これらを冷静に重ね合わせると、結論はひとつです。今からエアコンを購入して設置工事を依頼しても、今年の猛暑のシーズンに間に合わない可能性が高い――。これは不安を煽るための表現ではなく、報道と現場の状況から導かれる、現実的な見立てです。
もちろん、地域や業者、在庫の巡り合わせによっては早く付けられるケースもあります。けれど「買えば、すぐ涼しくなる」という当たり前が、今年は当たり前ではない。まずはそこを知っておくことが、いちばんの備えになります。

では、どうすればいい?――あわてないための、現実的な備え

「間に合わないかも」と知ったうえで、私たちにできることもちゃんとあります。落ち込むより、できる準備を一つずつ。

① まずは“今あるエアコン”を最大限に活かす

買い替え前に、いま使っているエアコンの実力を取り戻してあげましょう。フィルター掃除、室外機まわりの風通しの確保、必要ならプロのクリーニング。これだけで効きが見違えることは珍しくありません。新品が手に入りにくい今年は、「手元の一台を元気にする」ことが何よりの近道です。

② 買うなら「早く・確実に」動く

それでも買い替えが必要なら、“工事の予約まで含めて”できるだけ早く動くのが鉄則です。本体だけ先に確保しても、部材と職人さんの手配が付かなければ涼しくはなりません。購入前に「取り付け可能な時期」を必ず確認し、工事日まで押さえられるお店を選びましょう。見積もりも、複数の業者に早めに相談しておくと安心です。

③ この夏を乗り切る“つなぎ”を用意する

工事までの空白を埋める備えも大切です。扇風機やサーキュレーターで空気を動かす、遮光カーテンやすだれで日差しを遮る、冷感寝具や保冷剤を活用する。そして何より、こまめな水分・塩分補給と、がまんしない冷房・避難を。とくに高齢のご家族がいるお宅では、熱中症は命にかかわります。「エアコンが付くまで」を無理せず過ごす工夫を、家族で共有しておきましょう。

まとめ:知っておくことが、いちばんの“涼”になる

2026年のエアコン事情は、「本体はあるのに付けられない」という、これまでなかった形の困りごとです。ナフサ不足と銅高騰という二つの逆風、代替の効かない部材、そして2027年問題による需要の前倒し――いくつもの要因が重なって、今から動いても今シーズンに間に合わない可能性が高い状況になっています。
だからこそ、煽られて飛びつくのでも、知らずに後手に回るのでもなく、「いま何が起きているのかを正しく知って、できる備えを淡々と進める」。それが、この暑い夏をいちばん心穏やかに越えるコツだと思うのです。
あなたとご家族が、この夏も無理なく、やさしい涼しさのなかで過ごせますように。

※本記事は2026年6月時点の報道・公表情報をもとにまとめたものです。状況は日々変化するため、購入・工事の際は必ず最新の情報と、お近くの販売店・施工業者にご確認ください。価格・納期・在庫はお店や地域によって異なります。

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