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機能性表示食品の表示が2026年9月1日から変わる──サプリのパッケージで見るべき3点

公開日: 2026-08-09 · 約8分で読めます

ヒロ

執筆・編集:ヒロ

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この記事の要点

  • 2024年の紅麹関連製品による健康被害を受けて食品表示基準が改正され、そのうち準備に時間を要する2項目の経過措置期間が2026年8月31日で終わります
  • 2026年9月1日から実施されるのは、①錠剤・カプセル剤等へのGMP基準の適用、②届出情報の表示方法の見直し、の2つです
  • 表示の変更点は主に3つ。「機能性表示食品」の文字が主要面の上部に枠囲みで置かれること、届出番号がその近くに並ぶこと、そして「国の評価を受けていない」という但し書きの文言が平易になることです
  • 店頭の商品がいつ切り替わるかは製造・流通のタイミングによるため、しばらくは新旧の表示が混在する可能性があります

ドラッグストアやコンビニの棚に並ぶサプリメントのパッケージが、2026年9月を境に少しずつ変わっていきます。きっかけは、2024年に大きく報じられた紅麹関連製品による健康被害の事案です。これを受けて消費者庁は食品表示基準(内閣府令)を改正し、機能性表示食品の制度全体を見直しました。改正内容の多くはすでに実施されていますが、包材の切り替えなど準備に時間がかかる2項目については2年間の経過措置期間が設けられており、それが2026年8月31日で終わります。この記事では、消費者庁が公表している資料をもとに、9月1日から何が変わるのかを買い手の視点で整理します。

📄 裏どりの概要
消費者庁食品表示課が公表した資料「機能性表示食品の今後について」に掲載された、食品表示基準の一部改正の施行スケジュール表および表示事項(別表20・第3条関係)の新旧対照表を確認しました。改正内閣府令の公布は2024年8月23日、施行は同年9月1日で、GMP基準の適用と届出情報の表示方法の見直しについては「令和8年9月1日実施」と明記されています。

何が2026年9月1日から変わるのか

まず全体像を押さえておきます。2024年の改正で決まった見直し項目は、実施時期が段階的に分かれていました。消費者庁の資料では次のように整理されています。

即日実施(2024年9月1日)となったのが、健康被害情報の収集体制の整備と、医師の診断による健康被害情報を保健所等へ提供する義務です。この情報提供義務に違反した場合、食品衛生法に基づいて営業の禁止・停止という行政措置を取ることが可能とされています。届出後の定期的な自己評価・公表も遵守事項として要件化されました。

2025年4月1日からは、新規の機能性関与成分について届出者の評価をより慎重に確認する手続(販売前提出期限の特例)が加わり、システマティックレビューの報告指針であるPRISMA2020への準拠が新規届出に導入されています。

そして2026年9月1日から実施されるのが、次の2項目です。第一に、天然抽出物等を原材料とする錠剤・カプセル剤等の食品について、届出に関する製造加工等におけるGMP基準の適用。第二に、届出情報の表示方法の見直しです。この2つに2年間の経過措置が置かれた理由について、消費者庁の資料は「事業者の実行可能性(包材の切り替え等)を考慮」と説明しています。つまり、パッケージのデザインを刷新するには時間がかかるという実務上の事情です。

パッケージで見るべき3点

表示方法の見直しは、新旧対照表を読むと具体的に何が変わるのかがはっきりします。買い手として押さえておきたいのは次の3点です。

1つめは「機能性表示食品」という文字の位置です。これまでは「容器包装の主要面に表示する」とされていましたが、改正後は「容器包装の主要面の上部に『機能性表示食品』の文字を枠で囲んで表示する」と改められます。位置と体裁が指定されることで、その商品が機能性表示食品なのかどうかを棚の前で見分けやすくなることが期待されています。

2つめは届出番号です。改正後は「届出番号は、機能性表示食品である旨の表示に近接した箇所に表示する」という規定が新たに加わります。届出番号がわかれば、消費者庁のウェブサイトで届け出られた科学的根拠の資料を自分で照会できます。パッケージの裏面を隅々まで探さなくても、表面の「機能性表示食品」の枠のそばで番号を見つけられるようになる、という変更です。

3つめは、国の評価を受けていない旨の但し書きです。ここは文言そのものが書き換わります。

改正前は「本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」という表現でした。

改正後は「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」となります。

読み比べると違いがわかります。旧文言は「消費者庁長官に届出されたものです」が先に来るため、届出そのものが一種のお墨付きのように読めてしまう余地がありました。新文言は「国による評価を受けたものではありません」を先頭に置き、しかも「機能性及び安全性について」と対象を明示しています。さらに、科学的根拠を自分で確認できる場所への案内が加わりました。

このほか、機能性を表示する箇所には「機能性表示」の文字を冠したうえで、機能性関与成分の名称と、科学的根拠に基づく機能性を表示することとされ、その際に「当該機能性について報告されている旨を的確に示す文言」を添えることが求められます。「効きます」ではなく「〜が報告されています」という書き方に揃えていく、という趣旨と読み取れます。

GMPの適用は何を意味するか

もう一方のGMP(Good Manufacturing Practice=適正製造規範)は、パッケージの表面には現れませんが、製品の中身に関わる変更です。

GMPは、原料の受け入れから製造・出荷までの全工程で、製品が「決められたとおりに、一定の品質で」作られる仕組みを指します。医薬品では以前から法的な要件になっていましたが、機能性表示食品では長らく事業者の自主的な取り組みという位置づけでした。今回の改正で、これが食品表示基準における届出者の遵守事項になります。届出者が自主点検を行ったうえで、消費者庁が食品表示法に基づく立入検査等を行える体制が整備されます。

対象になるのは、機能性表示を行う「サプリメント形状の加工食品」です。消費者庁のガイドラインでは、これを「天然由来の抽出物であって分画、精製、化学的反応等により本来天然に存在するものと成分割合が異なっているもの又は化学的合成品を原材料とする錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の形状である食品」と定義しています。錠剤やカプセルの形をしたサプリメントが典型例です。

紅麹の事案では、製造工程で意図しない成分が混入した可能性が調査の焦点になりました。GMPの要件化は、そうした「作り方の管理」の部分を制度として担保しようとするものだと理解できます。

買い手として気をつけておきたいこと

いくつか、実際の買い物で誤解しやすい点を補足しておきます。

9月1日に店頭の商品が一斉に切り替わるわけではありません。経過措置期間が終わるのは事業者側のルールが適用される時点であって、すでに製造・出荷された在庫がその日に消えるわけではないためです。しばらくの間は新旧の表示が混在する可能性があります。パッケージの表記が旧いままだからといって、その商品に問題があるとは限りません。

表示が変わっても、機能性表示食品の位置づけそのものは変わりません。これは特定保健用食品(トクホ)のように国が個別に審査したものではなく、事業者が科学的根拠を消費者庁に届け出た食品です。新しい但し書きは、まさにその点をより明確に伝えるための変更にあたります。トクホとの違いを踏まえたうえで選ぶ、という基本は今後も同じです。

届出番号は使える情報です。消費者庁のウェブサイトでは機能性表示食品の届出情報が公開されており、届出番号から、どのような研究が根拠として提出されているのかを調べられます。表示が改正されて番号が見つけやすくなることは、この確認作業のハードルが下がることを意味します。気になる商品があれば、実際に一度調べてみると、機能性の表示がどの程度の根拠に支えられているのかの感覚がつかめます。

なお、健康食品による体調の変化に気づいた場合は、摂取を中止して医療機関に相談することが一般的に推奨されています。2024年9月からは医師の診断による健康被害情報を事業者が保健所等へ提供することが義務づけられており、受診時に「どの製品をどれだけ摂っていたか」を伝えられるようにしておくと、情報の集約に役立つと考えられます。

背景──なぜ2年もの経過措置が置かれたのか

今回の一連の改正は、かなり速いスピードで進みました。消費者庁が公表しているスケジュールを追うと、2024年6月27日に消費者委員会へ改正案を諮問、7月1日に食品表示部会で審議、7月16日に答申、7月26日にパブリックコメント終了、8月23日に内閣府令公布、9月1日施行という流れです。事案の発覚から半年ほどで制度改正が形になった計算になります。

一方で、GMPと表示方法の2項目にだけ2年間の経過措置が置かれました。GMPについては、製造施設の体制整備と自主点検指針の作成、そして消費者庁側の立入検査体制の整備に時間が必要でした。表示方法については、包材の切り替えという物理的な制約があります。すでに印刷済みのパッケージが大量に存在する状態で表示ルールを即日変更すれば、大規模な廃棄が発生します。2年という期間は、その現実的な調整のための時間だったと読み取れます。

制度の見直しはここで終わりではありません。消費者庁の資料では、特定保健用食品についても健康被害の報告とGMPの要件化と同様の措置を許可制度の運用上講じることを速やかに検討する、とされています。また、2018年(平成30年)の改正食品衛生法には施行後5年を目途とした検討規定が置かれており、サプリメントに関する規制のあり方、許可業種や営業許可施設の基準のあり方についても検討が進められています。

健康食品の市場は大きく、選択肢も年々増えています。制度が動いているときこそ、「誰が何を保証しているのか」を表示から読み取る力が効いてきます。9月からのパッケージ変更は、その読み取りを少しだけ楽にしてくれる変更だと言えそうです。

※本記事は消費者庁の公表資料をもとに中立的に整理したものです。制度の運用は更新される可能性があります。個別の商品や健康状態に関する判断は、一次情報の確認と医療機関へのご相談をおすすめします。

よくある質問

2026年9月1日以降、古い表示のサプリメントは買っても大丈夫ですか?

経過措置期間の終了は事業者側に新しい表示ルールが適用される時点を指すもので、すでに製造・流通している在庫がその日になくなるわけではありません。しばらくは新旧の表示が混在する可能性があり、旧い表記であること自体が製品の問題を意味するものではないと考えられます。気になる場合は届出番号から消費者庁のウェブサイトで届出情報を確認できます。

機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)は何が違いますか?

トクホは国が個別に審査して許可した食品です。機能性表示食品は、事業者が科学的根拠を消費者庁に届け出た食品で、国による個別の審査を受けたものではありません。2026年9月からの新しい表示では「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」という文言でこの違いが示されます。

GMPが義務になると、サプリメントの安全性はどう変わりますか?

GMPは原料の受け入れから出荷までの製造工程を管理する仕組みで、製品が一定の品質で作られることを担保しようとするものです。今回の改正で食品表示基準における届出者の遵守事項となり、消費者庁による立入検査等の対象になります。ただし個々の製品の効果や体質との相性を保証するものではないため、体調の変化に気づいた場合は摂取を中止して医療機関にご相談ください。

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