「注目トレーニー名鑑」第7回は、日本のボディビル界で多くの人の心を動かしたチャンピオン、"ジュラシック木澤"こと木澤大祐さんです。日本選手権に20回出場し続け、49歳、自ら引退をかけた最後の挑戦で悲願の初優勝。恐竜のような迫力の脚と、決して折れない心。分割法シリーズ第3回「脚トレ」の実践者として、これほどふさわしい人物はいません。
この記事の要点
- 16歳でトレーニング開始、四半世紀にわたり日本トップ戦線で戦い続けたレジェンド
- 2024年、20回目の挑戦・49歳で日本選手権初優勝。日本中のトレーニーを熱くした
- 「ジュラシック」の異名を象徴する日本屈指の脚の持ち主
- 現在はジュラシックアカデミーとJURASSIC CUP、YouTube・著書で次世代を育成中
何者か——「継続」を体現するレジェンド
木澤大祐さんは1975年、愛知県名古屋市生まれ。高校在学中の16歳でトレーニングを始め、18歳でコンテストデビューという早熟のキャリアをスタートさせました。ジャパンオープン優勝、日本クラス別選手権85kg級優勝など数々のタイトルを重ね、長年にわたり日本のトップ戦線で戦い続けたボディビル界の重鎮です。
その代名詞が、「ジュラシック」の異名の由来ともなった圧倒的な迫力の肉体、なかでも強烈な発達を誇る脚です。大腿四頭筋の張り出しとハムストリングスの厚みは日本屈指と評され、その脚を作り上げた高強度の脚トレは、YouTubeを通じて多くのトレーニーに衝撃を与えてきました。「脚の日から逃げない」ことの説得力を、体そのもので示してきた人です。
実績——日本選手権、20回目の挑戦での戴冠
木澤さんの物語のクライマックスは、2024年10月に訪れました。日本ボディビル選手権。国内最高峰のこの舞台に、木澤さんは実に20回出場し続けてきました。上位入賞を重ねながらも、頂点にはあと一歩届かない年月。並の選手なら途中で歩みを止めていたはずです。しかし木澤さんは挑戦をやめませんでした。そして「これが最後」と自ら宣言した20回目の挑戦で、ついに悲願の初優勝。49歳での日本選手権制覇という快挙は、NHKの報道番組でも特集されるなど競技の枠を超えた感動を呼び、本人がSNSに記した「諦めずに挑戦し続ければ、きっと良いことがあります」という言葉は、70万回以上表示され、数多くのトレーニーの胸に刻まれました。
この優勝が特別な輝きを放つのは、その道のりゆえです。若き日には勤務先のスポーツクラブが突然閉鎖し、仲間と古い倉庫を自らの手で改装してジムを立ち上げた過去も。運送会社で働きながらトレーニングを続けた時期を経て、それでもステージに立ち続けた四半世紀。ドーピング検査を実施するJBBFの舞台で、クリーンに、時間をかけて築き上げた肉体と栄光だからこそ、彼の優勝は「正しい努力は裏切らない」ことの証明として愛されているのです。
現在——「育てる側」としての新章
競技の一線から退いた現在、木澤さんの情熱は次世代の育成へと注がれています。2017年にオープンした自身のジム「ジュラシックアカデミー」は、東海の"トレーニングの聖地"として全国からトレーニーが訪れる存在に成長。2025年12月には名古屋・野跡駅近くへ移転・拡大リニューアルを果たし、プレオープンには人気ボディビルダーたちが集結して約3時間の公開ガチトレーニングが行われるなど、大きな注目を集めました。
さらに2023年からは、レジェンド合戸孝二さんとともにコンテスト「JURASSIC CUP」を主宰し、選手が輝ける舞台そのものを創出。2024年には著書『ジュラシック木澤式 超筋肥大トレーニング』を刊行し、トレーニング理論からダイエット法、限界を突破するマインドセットまでを体系化しました。登録者10万人を超えるYouTubeチャンネルでは、現在も高強度トレーニングの実際やセミナーの様子を発信し続けており、初心者からベテランまで幅広い層がその門を叩いています。
私たちが学べるポイント
- 脚トレは人格をつくる:最もきつい部位から逃げずに向き合い続けた四半世紀が、あの脚と精神力を作りました。第3回で解説した脚トレの意義を、彼は生き様で示しています。
- 「何回目か」ではなく「続けているか」:20回目の優勝が教えるのは、挑戦の回数を数えて落胆するのではなく、挑戦し続けている自分を信じることの価値です。
- 遠回りは無駄にならない:ジム経営の苦労も、働きながらの競技生活も、すべてが指導者としての深みに変わっている。キャリアに悩むすべての人への励ましです。
まとめ
- 16歳でトレーニング開始、四半世紀にわたり日本トップ戦線で戦い続けたレジェンド
- 2024年、20回目の挑戦・49歳で日本選手権初優勝。日本中のトレーニーを熱くした
- 「ジュラシック」の異名を象徴する日本屈指の脚の持ち主
- 現在はジュラシックアカデミーとJURASSIC CUP、YouTube・著書で次世代を育成中
次回は、同じく脚の発達で知られる新時代の主役、日本選手権を最年少で制した相澤隼人さんを紹介します。
※本記事の情報は2026年7月時点の公開情報に基づいています。最新の活動状況は各公式チャンネル・アカウントをご確認ください。