「生きて腸まで届く」「免疫をサポート」――プロバイオティクスヨーグルトの宣伝は、とても魅力的です。なかでも大手メーカーの「アクティビア」などは、効果を「科学的に証明」と強調して世界的に売れました。しかしその表現は、各国で問題視されることになります。
メーカーは自社のプロバイオティクス(特定の菌株)の整腸・免疫効果を示す研究をもとに広告を展開。これに対し米FTC(連邦取引委員会)や消費者団体、欧州の食品安全機関(EFSA)がそれぞれ評価を行いました。
「科学的に証明」への各国の判断
米国ではFTCが、整腸・免疫効果を断定的にうたう表示は誇大であるとして対応し、集団訴訟でも和解にいたったと報じられています。欧州ではEFSAが、提出された研究ではプロバイオティクスの健康強調表示を裏づけるには不十分と判断し、表示が認められませんでした。
プロバイオティクス自体は否定されていない
ここでも大切なのは、プロバイオティクスという分野そのものが否定されたわけではないという点です。過敏性腸症候群など一部の領域では有用性を示す研究もあります(関連記事)。問題は、特定の商品が「誰にでも・確実に効く」かのように宣伝された点にあります。
効果の根拠とされた研究の多くは商品を売るメーカー自身が関与・出資していました。菌株・量・対象者を自社に有利に設計できる余地があり、結果の解釈には注意が必要です。「科学的に証明」という言葉ほど、誰が・どんな条件で調べたのかを確かめたいところです。
私たちはどう受け止めるか
ヨーグルトは食品として楽しめばよいもので、宣伝文句を鵜呑みにする必要はありません。この主張に対する独立した評価の反証は、こちらの記事で取り上げます。
※本記事は公表された規制当局の判断や報道をもとにした情報提供で、特定商品を非難・推奨するものではありません。効果には個人差があり、診断・治療・予防を保証するものではありません。
背景:なぜこの研究が話題になったのか
大手メーカーが自社プロバイオティクスの整腸・免疫効果を「科学的に証明」と強調して世界的に売れた一方、米FTCが誇大として対応し集団訴訟でも和解、欧州当局も提出根拠では健康強調表示を認めなかったと報じられ、企業の販促研究の読み方が問われたためです。
実生活での受け止め方
プロバイオティクスという分野そのものが否定されたわけではなく、過敏性腸症候群など一部では有用性を示す研究もあるとされています。問題は特定商品が誰にでも確実に効くかのように宣伝された点にあり、効果の根拠とされた研究の多くはメーカー自身が関与・出資していたと指摘されています。「誰がどんな条件で調べたのか」を確かめ、効果には個人差があると受け止めたいところです。
あわせて読みたい:R-1ヨーグルトの「免疫」研究:企業主導と表示をどう読むか/プラズマ乳酸菌「免疫」表示:機能性表示食品と第三者検証