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運動・からだ · 利益相反 · 研究ノート

スロートレーニングと加圧トレーニングの科学(石井直方・東京大学)

公開日: 2026-06-20 · 約7分で読めます

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「軽い負荷でも筋肉を効率よく鍛えられる」として知られる「スロートレーニング(スロトレ)」「加圧トレーニング」。東京大学の石井直方(いしい・なおかた)名誉教授らの研究で取り上げられてきたテーマです。重い重量を扱わなくても刺激を与えられる可能性がある一方、やり方を誤ると危険な側面もあります。研究で報告されている内容と、利益相反・安全性の論点を中立的に整理します。

📄 研究の概要
筋肉を「ゆっくり動かし、力を抜かない」スロートレーニングや、専用の器具で血流を適度に制限する加圧トレーニングでは、比較的軽い負荷でも筋肥大や筋力の増加につながり得ること、運動中に成長ホルモンの分泌が高まることなどが報告されてきました。いずれも条件・対象による結果であり、効果には個人差があります。

スロートレーニングとは?

スロートレーニングは、その名の通り動作をゆっくり行い、関節を伸ばし切らず力を抜かないのが特徴です。たとえばスクワットなら、しゃがむときも立ち上がるときも数秒かけ、ひざを完全に伸ばし切らずに繰り返します。

こうすると筋肉が緊張し続け、筋肉内の血流が一時的に滞った状態(低酸素的な環境)になりやすいと考えられています。研究では、この状態が比較的軽い負荷でも筋肉への刺激を高め、筋肥大・筋力増強につながり得ると報告されています。重い器具を使わずに自宅でも取り組みやすい点がメリットとして挙げられます。

加圧トレーニングとは?研究で報告されている内容

加圧トレーニングは、腕や脚の付け根に専用のベルトを巻いて血流を適度に制限しながら運動する方法です(学術的には「血流制限トレーニング/BFR」とも呼ばれます)。スロトレと同様に、筋肉を低酸素的な環境に置くことで、最大筋力の20〜30%程度といった軽い負荷でも筋肥大・筋力増強の効果が報告されています。運動中に成長ホルモンの分泌が高まったとする報告もあります。

軽い負荷で済むため、関節への負担を抑えたいケースなどでの活用が研究されています。ただし、これらは適切な条件・指導の下で行われた研究での結果であり、自己流で同じ効果や安全性が得られることを保証するものではありません。

利益相反・両論併記の視点

利益相反(COI)に関する注記
加圧トレーニングは、商標・商業サービスとして提供されている側面があり、関連する器具の販売や指導者養成などのビジネスが存在します。研究の一部には、こうした関連団体・企業が関与している可能性があり、結果の解釈には一定の注意が必要です。
学術的には「血流制限トレーニング(BFR)」として独立した研究も多数行われており、軽負荷での筋力向上を支持する報告がある一方、効果の大きさや適応範囲については研究によってばらつきがあり、長期的な安全性のデータはなお蓄積途上とする見方もあります。特定のサービスや器具の宣伝としてではなく、複数の立場の情報を見比べて判断することが大切です。

安全に行うための注意点

血流制限をともなう運動は、誤った方法で行うと危険です。
加圧(血流制限)トレーニングは、巻く強さや位置を誤ると、しびれ・内出血・血栓などのリスクが指摘されています。自己流で見よう見まねで行うことは避け、専門の知識を持つ指導者のもとで適切に行ってください。高血圧・心疾患・血栓ができやすい体質・静脈瘤などのある方、妊娠中の方は特に注意が必要で、実施前に必ず医療機関へ相談を。スロートレーニングについても、痛みや強いめまい・息切れを感じたら中止し、無理のない範囲で行いましょう。

負荷の軽い筋トレ全般については毎日続ける筋トレ入門50代の安全な筋トレもあわせてご覧ください。

※本記事は研究内容と論点を一般向けに紹介するもので、特定のサービス・器具・効果を推奨・保証したり、治療を目的とするものではありません。効果や安全性には個人差があります。持病のある方・体調に不安のある方は、自己判断せず必ず医療機関や専門の指導者にご相談ください。

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