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今日のトピックス · 裏どりノート

日本人の平均睡眠6時間23分—厚労省ガイドで確認する適正睡眠の目安

公開日: 2026-07-01 · 約5分で読めます

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「日本人の睡眠時間は世界でも短い」——そんな見出しが2026年春、SNSやニュースサイトで拡散しました。医療機器メーカー・レスメドが実施した「世界睡眠調査2026」が公表され、日本人の平均睡眠時間が6時間23分で4年連続世界最下位だったと報じられたためです。睡眠不足が健康に影響することは広く知られていますが、「何時間寝れば十分か」「どこまで根拠があるのか」は意外と整理されていません。公的資料と研究データをもとに確認します。

📄 裏どりの概要
確認した一次情報:①レスメド「世界睡眠調査2026」(13カ国・約3万人対象、2025年12月〜2026年1月実施)、②厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、③国立がん研究センター多目的コホート研究(睡眠時間と要介護認知症リスクの関連、2024年論文発表)、④厚生労働省e-ヘルスネット(睡眠と生活習慣病の関係)、⑤西川株式会社「2025睡眠白書」。睡眠不足が健康に影響するという主張は複数の研究で報告されていますが、適正な睡眠時間には個人差があり、睡眠時間だけで健康状態を評価できるわけではないことも示されています。

何が言われているか

2026年4月、医療機器大手・レスメド(ResMed)が「世界睡眠調査2026」を公表しました。2025年12月〜2026年1月にかけて13カ国・約3万人(日本からは1,500人)を対象に実施したもので、日本人の平均睡眠時間は6時間23分。対象国のなかで最も短く、4年連続の最下位となりました。同調査では、「質の高い睡眠が健康寿命を延ばす」と認識している日本人の割合は63%で、世界平均(84%)を大幅に下回り、睡眠リテラシーの面でも課題があると示されています。

西川株式会社が毎年実施する「2025睡眠白書」によると、回答者の48.1%が「不眠症の可能性がある」と分類されたと報告されています。子どもの状況も深刻で、小学生〜高校生の約89%が平日に適正な睡眠時間を確保できていないとされています。

同白書では「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」も注目されています。平日と休日の睡眠スケジュールのズレを指す概念で、10代では平均約2時間半、20代では約2時間のズレが確認されています。こうしたデータを背景に、「日本の睡眠不足は国民的課題」「睡眠不足は万病のもと」といった発信がSNS上で広がっています。

実際のところ(一次情報の確認)

■ 厚労省「睡眠ガイド2023」が示す推奨値

厚生労働省は2024年に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を公表しました。同ガイドでは、成人について「6時間以上を目安として、必要な睡眠時間を確保する」ことが推奨されています。「健康日本21(第三次)」では成人の適切な睡眠時間を6〜9時間と設定し、この範囲を確保している人の割合を増やすことを目標としています。

年代別の目安(同ガイドより):

  • 成人:6時間以上を目安(適正な睡眠時間には個人差あり)
  • 小学生:9〜12時間
  • 中学・高校生:8〜10時間
  • 高齢者:床上時間が8時間以上にならないことを目安に

日本人の平均6時間23分は成人の目安の下限付近にあたります。ただし同ガイドは「適正な睡眠時間には個人差がある」とも明記しており、時間だけでなく睡眠休養感(眠れたという実感)も重要な指標とされています。

■ 睡眠不足と生活習慣病リスク

厚生労働省e-ヘルスネットの公表資料によると、不眠症のある人は良好な睡眠をとっている人に比べて糖尿病のリスクが1.5〜2倍になる可能性があると報告されています。睡眠不足時にはインスリン抵抗性が生じ、同じ食事でも血糖値が高くなりやすいとされています。また、食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減少し、食欲を促すホルモン(グレリン)が増加することも示されており、肥満につながる可能性が示唆されています。さらに、夜間に本来低下するはずの血圧が高止まりするなど、循環器への影響も報告されています。慢性的な睡眠不足のある人は、糖尿病・高血圧だけでなく、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などのリスクも高くなるとされています。

■ 睡眠時間と認知症リスク(国立がん研究センター研究)

国立がん研究センターの多目的コホート研究(約4万2,000人を対象に追跡調査、2024年2月に論文先行公開)によると、1日7時間睡眠と比較して、9時間睡眠で認知症リスクが13%高く、10〜12時間では40%高いという結果が報告されています。また5年間で睡眠時間が2時間以上延びた場合も、認知症リスクが37%高まる可能性が示されました。

注目すべき点は、長時間睡眠もリスク要因になりうるという示唆です。ただし、長時間睡眠が直接の原因なのか、認知機能低下が先行して睡眠時間が増えているのか(逆因果の可能性)については、研究者の間でも議論があります。「睡眠は長ければ長いほどよい」とは言い切れないことも、同研究は示しています。

読者として何に気をつけるか

「6時間23分は世界最短」という事実は複数の調査で報告されていますが、同じ睡眠時間でも眠りの深さや目覚めの爽快感には個人差があります。厚労省ガイドが「6時間以上を目安」とし、健康日本21が「6〜9時間」を推奨範囲と設定していることは、一つの客観的な参考になります。

睡眠の質の改善に向けて、厚労省「睡眠ガイド2023」は以下の取り組みを推奨しています:

  • 朝に日光を浴びて体内時計をリセットする
  • 就寝1〜2時間前に入浴する(深部体温の変化を利用する)
  • 夕方以降のカフェインや就寝直前の飲酒を避ける
  • 寝室にスマートフォンを持ち込まない
  • 日中に60分程度の適度な運動を習慣化する

「ソーシャルジェットラグ」への対策としては、休日も平日と大きく睡眠スケジュールを変えないことが重要とされています。週末の「寝だめ」は短期的な眠気を和らげる可能性がある一方、体内時計のズレを固定しやすいリスクもあると示唆されており、慢性的な解決策にはなりにくいとされています。

日中に強い眠気が続く、いびきを指摘される、夜中に何度も目が覚めるといった症状が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群など専門的な治療が必要な疾患の可能性もあります。こうした症状が気になる場合は、医療機関への相談を検討してください。

※本記事は公表情報をもとに中立的に整理したものです。情報は更新される可能性があり、健康に関する判断は一次情報の確認と医療機関への相談をおすすめします。

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