「注目トレーニー名鑑」第8回は、日本ボディビル界の歴史を若くして塗り替えた新時代の主役、相澤隼人さんです。21歳での日本選手権制覇、そしてそのまま3連覇。圧倒的な脚の発達と完成度の高さで「若き英雄」と呼ばれる存在は、いま競技の枠を超えて表現の世界へも活動を広げています。
この記事の要点
- 12歳でトレーニング開始、高校生選手権3連覇を経て2021年に21歳で日本選手権制覇(63年ぶりの快挙)
- そのまま日本選手権3連覇。脚の完成度は国内屈指と評される新時代の王者
- 2025年に阪元裕吾監督作品で映画俳優デビュー。表現者として新章へ
- セミナー・アパレル・SNSでも活躍し、「学べる若き王者」として支持拡大中
何者か——12歳から積み上げた「早すぎる完成」
相澤隼人さんは1999年、神奈川県相模原市生まれ。先にトレーニングを始めていた双子の兄の影響で、わずか12歳でトレーニングをスタートしました。柔道で培った体幹と、成長期に重なった学習意欲、そして誰よりも研究熱心な性格。すべてが噛み合った成長速度は「すさまじい」の一言で、高校時代には全国高校生ボディビル選手権を3連覇。2017年には日本ジュニア選手権を制し、世界ジュニア選手権でも入賞を果たします。10代にしてすでに、日本のボディビル界は彼を「未来の王者」として認識していました。
実績——63年ぶりの快挙、21歳での頂点
そして2021年10月、伝説が生まれます。日本体育大学バーベルクラブに所属する大学生だった相澤さんは、国内最高峰・日本ボディビル選手権を21歳で制覇。この年齢での優勝は実に63年ぶりという、歴史的快挙でした。ベテランが円熟の末にたどり着くのが常識だった頂点の座に、大学生が到達した衝撃は、競技の内外に「新時代の到来」を告げるものでした。
しかも相澤さんは、そこで満足しませんでした。翌年、翌々年と王座を守り続け、日本選手権3連覇を達成。同年代の選手はもちろん、経験豊富な強豪たちの挑戦をことごとく退けての連覇です。身長164cmの体に詰め込まれた密度の高い筋肉、なかでもハムストリングスから大腿四頭筋まで隙のない脚の完成度は国内屈指と評され、分割法シリーズ第3回で解説した「前面・後面・下腿を漏れなく鍛える」ことの理想形を体現しています。
印象的なのは、その勝利哲学です。相澤さんは連覇を目標に掲げるのではなく、「自分が考えた理想の体を追い求めること」を一貫して語ってきました。優勝しても次の課題が見つかる、その繰り返しこそがボディビルの楽しさだと言い切る姿勢は、まさに求道者。勝敗ではなく理想を追う純度の高さが、結果として勝利を引き寄せてきたのです。
現在——競技で極めた「表現」を、新たな舞台へ
3連覇を達成した相澤さんは現在、活動の幅を大きく広げています。2024年12月、ゴールドジムジャパンカップの会場で「俳優業に挑戦します」とサプライズ宣言し、業界に衝撃と興奮をもたらしました。「ボディビルは生き様。完全に縁を切るつもりはない」と語りつつ、家族や仲間に"挑み続ける姿"を見せたいという想いを胸に、演技の世界へ。そして2025年10月、人気シリーズ『ベイビーわるきゅーれ』などで知られる阪元裕吾監督の映画『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』で、ついにスクリーンデビューを果たしました。鍛え抜かれた肉体を武器に、日本王者のボディビルダーが俳優として立つ——ポージングという「静の表現」を極めた男が「動の表現」に挑む物語は、始まったばかりです。
並行して、アパレルブランドの立ち上げ、ゴールドジムでのトレーニングアカデミー開催(トレーニング概論から胸・腕の実技まで体系立てた人気講座)、Instagram・YouTubeでの発信、テレビ出演と、多方面で活躍中。日本王者の知見を直接学べるセミナーは毎回盛況で、若き王者は「教える側」としても着実に支持を広げています。
私たちが学べるポイント
- 基礎の反復が近道:12歳から積み上げた相澤さんの体は、奇抜な方法ではなく基本種目の丁寧な反復の産物。若さより「積み上げ年数」が本質です。
- 目標は順位ではなく理想:「連覇は考えていない。理想を追うだけ」という思考は、他人との比較で消耗しがちな私たちに、健全な競争との向き合い方を教えてくれます。
- 極めた先に次の扉が開く:競技で頂点を極めた表現力が俳優業への扉を開いたように、ひとつの分野を徹底することが、次の可能性につながることもあります。
まとめ
- 12歳でトレーニング開始、高校生選手権3連覇を経て2021年に21歳で日本選手権制覇(63年ぶりの快挙)
- そのまま日本選手権3連覇。脚の完成度は国内屈指と評される新時代の王者
- 2025年に阪元裕吾監督作品で映画俳優デビュー。表現者として新章へ
- セミナー・アパレル・SNSでも活躍し、「学べる若き王者」として支持拡大中
次回は、日本の肩トレブームを牽引する「肩メロン」の代名詞、エドワード加藤さんを紹介します。
※本記事の情報は2026年7月時点の公開情報に基づいています。最新の活動状況は各公式チャンネル・アカウントをご確認ください。